げぷっ。
ミルテンの表情が凍り付いた。
一体今何が起きたのだ?最大出力ではなった攻撃光は、
衝突と同時に、
どんどんと小さくなってき、敵の口元に収束していったのを見た。
そして、放光の消滅した先にいたのは、無傷のギャラガンだった。
「まぁまぁだな・・。」
男はそういって口を拭いながら、嘲笑いを含んだ声でそう言った。
『事実の否定とは、最も愚かな行為である。』
歴戦を経てきたミルテンの絶対鉄則である。
そして目の前の男はそう、最大出力で放った自身の攻撃を、
『喰った』。
宇宙の物理概念を無視した事象。
だがいまここで起きたことは事実だ。
ミルテンは銃口を下ろした。
するとギャラガンは、
「なんだ?もう終いか?まぁいい、馳走になった。」
そう言うと男はまるで興味を無くしたかのように、
警戒心も無しに自分の横を素通りしていった。
もしも接近して不意打ちをされても取るに足らない
相手だと判断されたのだろう。
しかし圧倒的差の前にミルテンは、危険な不意打ちには出ず、
黙ったまま、素通りを許すのだった。
■そしてギャラガンの足音が小さくなっていくとともに、
ガシャリと足元の瓦礫の上に
膝を落とした。