「ああ、ヒロ――来たのね。」
夜空の黒さの中で、より際立って見える肌の白さ。
普段はひた隠しにされているからだろう――、
露出した鎖骨と背中からは、
いつもの少女のような淑やかさではなく、
女性の魅力が醸し出されているようだった。
そこでヒロは気が付く。
「そのペンダントは、何?」
「あ、これ?これはね、金星から採れた宝石。
「金星?」
「母がくれたものなの。最初は宝石だったそうなんだけど、
私が身に付けられるようにペンダントにしてくれたの。」
「へぇ・・そりゃいい母さんだな。」
「フフ・・どうするヒロ?みんな来たみたいだけど、
会場へ戻らない。」
「ああ、そうだな。」