レディアント③ Remains【リメインズ】遺体

意識を脱(おと)したその亡躰(なきがら)を、

静かに自分の頰にたぐり寄せた。

心を凍て射すような、レナ冷肌(れいき)のが、

温かみを識りつつあったレディの心身に、

過重なまでの悲愴を圧し加えた。

不思議と、涙は出なかった。

それよりもレディは、胸の奥の蠢きを

感じていた。

久々に感じる憤(いか)り。

哀しみという瑞々しい情類よりも、

怒りという激しい感情に、レディの心は染まっていた。

彼女のうなじと膝裏に手を入れて

持ち上げ、彼女の好きだった木陰にその躰を

立てかける。

一筋の風が吹き、血に濡れたレナの髪が、

穏やかに揺れた。

その様子を無表情で見つめるレディは、

穏やかに眠るその彼女に、背を向けて

歩き出した。

平穏のなかで消えかけていた、

蒼い死炎(ほのお)が、再びその灼熱を呼び醒ました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です