ゼスは目を覚ました。
ボサボサの髪をそのままに、リビングに展開しっぱなしのスケジュール画面を見る。
赤い表示で単位落とし間近と書かれている項目を見つける。
通っているユニバース・スクールに関する記述だった。
自分で記憶していなくても、こうしてデジタルマネージャーが、自分のりとあらゆるものを記憶して通知してくれる。
一か月ぐらい前に学校に行ったときに、単位をテキトーに突っ込んでたのをすっかり忘れていた。
一応単位取っとかねぇとな。
ゼスは適当に服を着替えると、そのまま家を後にした。
『Sa-Face』のデジタル広告が妙に目に付く。
学校へと到着する。
カリキュラムや制度は無く、
似たような分野を取得しているもの同士の
交流の場、もしくは同一のプロジェクトを遂行する場所として扱われている。
コミュニケーションの場
専用の設備はここに来るしかなく、さらに監査員がいなければ成立しない科目のため、わざわざ足を運ばなくてはならない。
本当なら自分の家でデータだけ送ってもらい、在宅で課題を消化したかった。
ロクに説明を聞かないで、科目を入れてしまったことを今さらになってゼスは後悔していた。
「おうシールドマン」
「シールドマンって言うな」
テストの成績はまずまずだった。可もなく、不可もなく。
火星への移住計画をほぼほぼ成し遂げた段階で、人類はどこか宇宙進出に対する焦燥感を失い、停滞している。
俺が宇宙船を操縦する日なんて来るのか正直ビミョーなところだ。
ぷるるるっ。
「スペクターだって。どうする?来る?」
「ああ、今すぐ行く」
「彼女か?」
「そんなんじゃねぇよ。」