#6ワイダ

他の車両にも、マスカレイダーたちはいた。

そして同様に、どの車両にも乗客がおり、その奇妙な鴉面に怯えていた。

ドスン。

先頭車両で音がした。

明らかに、何かが車両の天井に落下した音だった。

その車両にいた三人のマスカレイダーたちは、互いに目配せを送りあい、最も下っ端であるメンバーが他二人に視線を向けられる。

その下っ端は二人の様子から無言の要求を察すると、

渋々とした動きで、近くの窓に手のひらを向けた。

すると、腕に紋章が浮かびあがり、その魔力の奔流は、手の平から炎の玉となって放出された。

ガシャアアン!!

車両の窓ガラスが割れ、走行の突風が車内に充満する。

「きゃああっ!!」

突然の爆発音に、乗客たちからも悲鳴が上がる。

だがそんな乗客の様子を気にする様子もなく、穴をあけたマスカレイダーは

窓から顔を出し、上の様子を探ろうと這い上がり始めた。

だが、

「うわあっ!」

這い上がっている途中だった下っ端の身体が、突然引っ張られるようにして

外の闇の中へと消えた。

びゅうびゅうと冷たい突風が舞い込む車内に緊張が走る。

他二人のマスカレイダ―は、ローブ下に隠していた両腕を外に出すと、

それぞれの手に紋章を浮かび上がらせるや、臨戦態勢へ入った。

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